前回の記事に「学習指導要領の改訂1 7つのキーワード」がありますので、未読の方はぜひ先にご覧ください。
学習指導要領の一番大きな変更点は「教員の指導の仕方や授業改善に言及」されたことです。
これまでは、研修に「法的な根拠」、授業改善は「努力目標」でした。
しかし、今回の改訂で「授業改善が学習指導要領に明示」されました。
つまり、授業改善に「法的拘束力」が伴うようになったということです。
これからは授業改善に取り組まない教員は法的にアウトになってしまうわけです。
それでは、私たち教員は何を意識して取り組むべきなのか、考えていきましょう。
教員が意識すべきこと(授業改善の方向性)
「生徒が主体的に学習や諸活動に取り組む態度を養う」ことです。
そのために、教師に求められることは「真摯な授業の振り返り」です。
授業がうまくいかないことを、たとえグチることがあったとしても生徒のせいにしないことです。
「なぜ、生徒たちが主体的に・意欲的に取り組めなかったか」を振り返ることが大切です。
具体的に……
今回の変更では、「教育課程」「授業・評価」「地域・関係機関・保護者連携」の3つの見直しが求められています。
そのなかでも「授業・評価」について、 特別の教科「道徳」の指導方法と各教科の授業の改善の2つの視点で考えていきましょう。
道徳科の指導方法の改善
1 多様な教材
ただ教科書を読むだけではなく、さまざまな教材を使って指導しましょう。
読み物資料、視聴覚教材、体験活動をもとにした指導、問題解決的な内容
2 指導の工夫
流れ 導入→展開→終末の工夫
方法 教材提示・発問・話し合い・書く活動・板書・説話・動作と役割演技
授業は意見発表で終わらせず、自分ならどう行動すべきかを考えさせましょう。
続き物 1時間で終わらない内容があっても良いでしょう。
2、3時間扱いのものもあると良いです。
3 各教科等との関連
4 子どもたちの実態把握と文章評価
各教科の授業の改善
1 教育実践の引き継ぎ
これまでの教育実践の蓄積を若手教員に引き継ぎ、時短にできることは積極的に取り組みましょう。
2 ICT機器の活用
ネットで動画を見せたり、タブレット端末を使って資料のシェアリングをしたり、活用方法はまだまだたくさんあると思います。
これからの教員は、毎時間使わないにせよ、ICT機器の活用方法を研究していかなければなりません。
3 習得・活用・探究のバランス
教え込むべきことは教え込んで構いません。
知識が基盤としてないと活発な話し合い活動は生まれません。
また、話し合い活動が目的にならないように注意します。
目的を、話し合い各同を通じて達成(活用と探究)できるようにしましょう。
おわりに
前回に引き続き、学習指導要領についての内容でした。
「授業改善」に法的拘束力がある今、全教員が絶えず行わなければなりません。
しかし、そんな授業と向き合う時間もなかなか取れないのが今の教員です。
教員の勤務時間内業務の見直しや働き方への改革も同時に進めていく必要があるように感じています。
いよいよ新学期の始まりです。
今年度も一緒に頑張りましょう。
応援しています。
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