前回は、教員採用試験に向けて(基本編)として、最低限押さえておかなければならないことを紹介しました。
未読の方は、先にご覧ください。
今回は「論文編」です。
東京都のテーマではありますが、演習課題も用意しました。
ぜひ、取り組んでみて下さい。
論文を書く
問題の形式
課題についての文章の基本は「具体的な方策(2つ)」+「あなたなりの指導の方策」です。
「具体的な方策」は2つとも10行350字程度で、
「あなたなりの指導の方策」は26行910字超え、30行1050字以内が目安です。
書く練習をしておかないと、本番で間に合わないということがあるので、必ず書く練習をしましょう。
パターン化する
例1 「論・例・策」
「論」…課題に対する自分の考え
「例」…実習に経験した具体例
「策」…課題解決のための具体的方策
例2 「起・承・転・結」
「起」…論文の導入。課題の意図についての自分の知識・理解・認識
「承」…課題に対する問題点の整理(複数の角度から)。一方的批判や一面的な論理にならないように
「転」…問題点の解決策。奇抜である必要なし、根拠を踏まえて素直に論述すること。
「結」…締めくくり、教員としての姿勢・理念を簡潔に(決意表明)。提案や問題提起にならないように。
ポイントは「表現力」「論理性」「課題意識」です。
作成の流れ
- 「問題文のポイントに下線」
- 「柱立て」
- 「各柱のキーワード」
- 「一気に書く」
論文を書く上で「柱立て」がめちゃくちゃ重要です。
立てた柱から大きく逸れないように構成していきましょう。
論文練習の仕方
過去の「論文のテーマ」やキーワードをもとに作成した「ざっくりメモを」中心に書いてみましょう。
①自分などのように児童・生徒の指導に取り組んでいくか、志望する校種に則して、具体的な方策を2つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べる。
②その方策を考える上での問題意識やまとめを明確に書き、全体で26行(910字)を超えて30行(1050字)以内で述べる。
演習問題
東京都の過去問ではありますが、演習問題を用意しました。
それぞれ実際に書いてみて下さい。
もし、取り組んでいただけたら「お問い合せ」フォームから実際書いた論文を送っていただければ、簡単なアドバイスをいたします。
A問題
年度初めの職員会議で、教務主任から、「昨年度、授業評価アンケートの『授業は内容が分かりやすく、充実したものが多い。』の項目で『あてはまらない』という回答が多くありました。そこで、本年度、各教科の指導において、『個々の子どもに応じたきめ細かい指導を充実させ、学習内容の定着を図る。』ことを重点事項にしてほしいと思います。」と報告があった。 職員会議終了後、あなたは、副校長から、「先ほどの重点事項に基づいて、指導の重点をどこにおき、どのように取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と指導を受けた。 あなたならどのように学習指導に取り組んでいくか、志望する校種に即して、具体的な方策を2つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。 その際、その方策を考える上での問題意識やまとめを明確に書き、全体で30行(1050字)いないで述べなさい。 ただし、26行(910字)を超えること。
B問題
あなたは、生活指導・保健指導部に所属している。 年度はじめの生活指導・保健指導部会で、生活指導主任から、「昨年度、各委員会活動において行った生徒対象のアンケートの、『自らの役割を責任をもって果たすことができた。』の項目で、『できなかった』の回答が多くありました。また、委員会活動の担当教員からも、自らの果たす役割は何かということを自覚していない生徒が多いという報告を受けています。そこで、今年度、生活指導・保健指導部として、『自らの役割を責任をもって果たすことができる力を育む。』を重点事項にしたいと思います。」と報告があった。 部会終了後、生活指導主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、生活指導・保健指導部の一員として、どのように指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね、」と話があった。 生活指導主任の発言を受けて、あなたならどのように児童・生徒の指導に取り組んでいくか、志望する校種に即して、具体的な方策を2つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。 その際、その方策を考える上での問題意識やまとめを明確に書き、全体で30行(1050字)いないで述べなさい。 ただし、26行(910字)を超えること。
おわりに
論文はパソコンで入力するのではなく、実際に手書きなので書く練習が必須です。
60~90分程度の試験時間の中で、「柱立て」から「一気に書き上げる」には訓練が必要です。
僕が学生のときは、練習で100枚くらいは書いたかと思います。
まず、時間と字数に慣れることを目標に論文練習に取り組んでみて下さい。
教員採用試験まで約2ヶ月、最後まで諦めずに取り組みましょう。
教員を目指すあなたの挑戦を応援しています。
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