みなさんは今年度は何部の顧問になりましたか?
もしかしたら、はじめて部活動の顧問になった先生もいると思いますので、今回は「部活動の活動費(部費)の取り扱い」についてです。
部活動の活動費として部費を徴収する場合、気をつけなければならないことがあります。
監査が入ったときには、「知らなかった」では済まされないような事態にならないよう、活動費の扱いについて、確認しておきましょう。
※H28年に通知があった「都立学校の部費等の適切な管理について」に基づいて説明していきます。
部費の徴収
部費の徴収は、文書で知らせます。
部活動の保護者会などで、「部の運営について」の資料を用意すると思いますので、そこで知らせるといいでしょう。
また、部費は原則、金融機関の通帳を持って管理します。
ただし、ユニフォームの購入や送別会費など、一時的な徴収は除きます。
部費の会計報告
会計報告は文書で知らせます。
内訳を記載し、監査を行います。
見本1(保護者会 集金の例)
見本2(顧問 集金の例)
部費の使用
ここが最も重要です。
部費は活動・大会等に必要な物に使用します。
たとえば、野球部だったら
- テーピング、絆創膏、消毒液などの医薬品
- バット、ボール、メンバー表、スコアブックなどの野球用品
NG
3年生を送る会(送別会)に使うのは「不適切」です。
これは、会計事故となる、部費の「目的外使用」にあたります。
部費は、生徒の活動のための集金ですので、飲食・記念品は「活動」ではありません。
ただし、試合のためのスポーツドリンク等は可です。
特に、生徒の活動費で送別会の飲食物を購入し、生徒と一緒に大人が食べるのは「絶対に厳禁」です。
対応
部費から「送別会」や「卒業生の記念品」の費用は出さないようにしましょう。
これらに必要なものをそろえる場合、在校生から「会費」という形で集金します。
「会費」の徴収は、できれば教員ではなく、保護者の会計担当に依頼しましょう。
また、「会費」についての通知文は、学校長名ではなく「部名」または「部会系担当名」で出します。
「会費」内でやりくりして、「会」を実施しましょう。
諸注意
自治体によっては、支給される大会交通費を部費に流用しても良いとされるところがあります。
その場合、次の対応が必要です。
- 大会交通費を部費に流用することを、保護者に文書通知する。
- 使用した内訳を、会計報告として、年度末に保護者に通知する。その際、保護者の代表に「監査」を依頼し、署名・捺印を受けます。
- 部の「送別会」や「卒業生の記念品」の費用に充てない。
学校の消耗品の「色紙」を使った卒業生への寄書も、法的にアウトですので注意してください。
おわりに
いかがでしたか。
はじめて顧問をされる先生は、知らなかったことも多いかと思います。
特に、「送別会」「記念品」「色紙」など、あらためて集金しなきゃいけないと思うと面倒臭いですよね。
だからと言って、顧問の自費で「記念品」や「色紙」を購入することは絶対にやめましょう。
顧問が変わったとき、後任の顧問の先生も同じようにしなくてはなりません。
もちろん、「前任の先生がそうされていたらしい」ということもあるでしょうが、あなたで止めてください。
保護者の協力を得て「会費」を集めるか、そのような慣習をやめるか。
いずれかにして、クリーンな部活動運営をしていきましょう。
新年度、忙しくて毎日大変ですが、一緒に頑張りましょう。
応援しています。
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