学校の先生をしていくなかで、避けては通れないのが「いじめ」問題です。
「いじめ」を扱う際には、教育的配慮だけでは済まされません。
意識として、いじめは「法的対応」が必要となります。
かいざー
今回は、いじめ防止のための組織作りやいじめ防止対策のポイントを紹介したいと思います。
いじめの定義
よく「嫌だと思ったらいじめだ」なんて聞いたことがあるかと思います。
ですが、実際問題が起きたときに、これでは定義が曖昧で不十分です。
ここでは、きちんと「いじめとは何か」を捉えておく必要があります。
次の3項目を確認しましょう。
- 一定の人間関係
- 心理的・物理的影響を与える行為
- 児童生徒が心身の苦痛
「いじめ」か否かの判断は、表面・形でなく「いじめられた側」の立場で考えます。
「いじめ」の認知は、学校の「いじめ対策委員会」で「組織」として確認します。
それでは、次にいじめ防止のための組織について見ていきましょう。
いじめ防止等にかかる組織(例)
ある学校のいじめ対策の組織です。
組織 | 学校いじめ対策校内委員会 生活指導部会+SC | 学校いじめ対策委員会 企画委員会+SC | 学校いじめ対策特別会議 学校運営協議会 学校サポートチーム |
目的 | 「各教職員の気づきを学校いじめ対策委員会に円滑に集約する」 ○未然防止・早期発見 | 「情報の確認、いじめの認否・対応の確認を行う」 ○未然防止のための情報共有 ○早期発見・早期対応 ○重大事態への対応 | 「重大ないじめの発生時、学校等をサポートする」 ○学校との情報共有・連携 |
開催 | ○週1回程度開催 ○視点 「不登校傾向」 「人間関係」(トラブル等) 「気になる行動」 等 | ○週1回程度開催 ○視点 「確実な情報共有」 「組織的な対応」 「法に基づく対応」 等 | ○必要に応じて、年数会開催 ○視点 「学校等のサポート・連携」 等 |
備考 | 特別支援・教育相談・不登校の情報共有を兼ねる | 特別支援・教育相談・不登校支援の校内委員会を兼ねる |
※SC=スクールカウンセラー
いじめの疑いの発見からいじめ解消まで
いじめ防止等の対策を推進する6つのポイント
東京都教育委員会の「いじめ総合対策」では6つのポイントをあげています。
- 軽微ないじめも見逃さない
- 教員1人を抱え込まず、学校一丸となって取り組む
- 相談しやすい環境の中で、いじめから子どもを守り通す
- 子どもたち自身が、いじめについて考え行動できるようにする
- 保護者の理解と協力を得て、いじめの解決を図る
- 社会全体の力を結集し、いじめに対峙する
おわりに
いじめは初期対応が全てです。
まず「早期発見」と言われますが、僕はそれよりも前の「未然防止」に力を入れて欲しいと思っています。
また、いじめだけでなく、トラブルの際は報告・連絡・相談+「記録」が必須です。
この「記録」は自分を守るためのものにもなりますので、必ず取る習慣をつけましょう。
いじめ問題はなかなかなくなりません。
根気強く対応していきましょう。
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