クリティカル・シンキング

授業づくり

日本語で、「批判的思考」と訳されます。

『情報を鵜呑みにせず、吟味し根拠を持って論理的に考えていくこと。(説明などを聞く場合にも根拠とされていることが本当に根拠になり得るかを吟味する)』

これによって、根拠を探したり、吟味したりすることにより、深い学びに直結します。

かいざー
かいざー

今回は、クリティカル・シンキングの必要性や現場で活かす手立てについて考えていきましょう。

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問いを立てることを習慣化する

これは、元外交官「日本教育大学院大学」の北川達夫さんが書いた教育コラムの一部抜粋です。

(前略)信念や価値観の異なる相手の主張を聞くと、往々にして「それは絶対に間違っている」と受け止めがちだ。だが、そういった反応から闘争は生まれても、理解や協働は生まれない。

だから、まずは無理をしてでも「ほう、そういう考えもあるのか」と驚きをもって受け止める。理解できないことについては「それはどういうことか?」、納得できないことについては「なぜそういえるのか?」と問いを立てる。このように問いを立てることを習慣化することで、どのような相手の、どのような主張に対してもコミュニケーションを成立させ、最低限の人間関係を維持することができるのである。

この一連の反応は、批判的思考の基本でもある。一般に批判的思考というと、相手の揚げ足を取ったり、非妥協的に攻撃したりする、欧米的発想というイメージがあるようだ。日本人の謙譲の美徳にはそぐわないという人もいる。だが、本来、批判的思考は極めて謙虚な思考態度である。なぜなら、「批判」を最初に向けるべき対象は自分自身だからだ。

感情的に受け入れがたい主張に対して、最初に批判を受けるべき対象は、主張する相手ではなく、それを受け入れられない自分なのである。たとえば、「なぜ自分は感情的に反発するのか?」と自分に対して問いを立てるのだ。自分と相手とは、価値観(何が大切か)や信念(何が正しいか)が同じとは限らない。同じ知識や経験を共有しているとは限らない。そもそも同じ言葉を同じ意味で使っているとは限らない。たとえば「あなたは『実験が成功した』というが(なぜか私にはそうは思えない。だから教えてほしいのだが)、あなたは何をもって『成功』というのか?」と問いを立てなければ、自分と相手との溝は深まるばかりなのである。

未知のことに触れて驚き、「なぜ?」と問いをたて、自ら探究するーーこれは学びの基礎であり、批判的思考の基本であると同時に、グローバル化する社会を生き抜くための基本衣でもあるのだ。(後略)

ここでは、コミュニケーションを成立させるために、最低限の人間関係を維持するために「問いを立てることを習慣化する」とありますが、それは自分に向けても同じです。

かいざー
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それが批判的思考いわゆる「クリティカル・シンキング」となります。

ラーニング・ピラミッド

学習の形態と定着率をピラミッド型の図にしたものです。(上図)

能動的になればなるほど学習の定着化を図れるというものです。

「アクティブラーニング(能動的学習)」が注目されるのは、トップクラスの大学(ハーバード、スタンフォード、マサチューセッツ工科等)で授業方法を変え、実証されたことが大きいです。

かいざー
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最も定着率が高いのは「他人に教える、すぐに使ってみる」です。

授業を通して生徒にどうすれば良いのか

次のような「問い」を、生徒自身が、自分に向けて立てて、その「根拠」を探ります。 

  •  自分は何が分かったのか?何が分かっていないのか?
  •  自分は何ができたのか?何ができなかったのか?
  •  そもそも自分は今日何を学ぼうとしていたのか?それを学べたのか?
  •  どうして自分はわからなかったのか?そうして自分はできなかったのか?
  •  どうすれば自分は分かるようになるのか?また、何をすれば自分はできるようになるのか?
  •  「学び合い」への取り組み方はどうであったか? 
  •   ※ わからないことを人に聞くことができたか?
  •   ※ わからない人へ、伝えたり、教えたりすることができたか?
  •   ※ 「学び合い」を通して理解を深めることができたか?
  •   ※ 次の「学び合い」に、自分はどのように取り組みたいか?
かいざー
かいざー

これって、新学習指導要領の趣旨でしたね。

子供が1人で十分に「問い」ができないとき、教師の支援が必要です。

「振り返りシート」を通しての教師との「対話」が生まれる。

「振り返りシート」は、長い文のやり取りでなく、簡単なメッセージで良いと思います。

教師の言葉が考えるきっかけ・ヒント、気づきを促す「先行オーガナイザー」の役割を果たします。

かいざー
かいざー

「先行オーガナイザー」とは、学習者がこれから記憶しようとするものの全体像(枠組み)のことです。

おわりに

「他者との対話」と「自分との対話」のどちらも必要です。

対話により、アウトプット(発信)をすることになります。

言葉にすること、文字にすること、客観視することが大事です。

夏も近づいてきました。

大変な日々は変わらずですが、無理をすることなく頑張りましょう。

応援しています。

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