道徳教育を考えよう「特別の教科 道徳」とは?

授業づくり

教科化されて、まだ新しい「特別の教科 道徳」

みなさんはどのように授業されていますか。

学生時代の道徳を思い出してみると、学活なのか総合なのかわからない取り組みをしてきた人も少なくないように感じます。

小学校の先生は、担任の先生が全ての教科を担います。それに比べ中学校は教科指導が中心のため、道徳が苦手で不安を抱えながら授業をされる先生が多いように感じます。

かいざー
かいざー

道徳について、苦手な先生は一緒に学びましょう。

これまでの道徳と何が違うのか。

今回は「特別の教科 道徳」について、教科化の背景や改正点など紹介していきます。

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教科化の背景

2015年の学習指導要領の一部改訂によって「特別の教科」として位置づけられるようになった道徳。

かいざー
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道徳が教科化に至った背景は、いくつかあります。

  • 大津のいじめ自殺(H23.10)、川崎の事件(H27.2)など痛ましい事件が多発
  • コミュニケーションや人間関係の変化(スマホ、SNS等の発達)
  • 子どもを取り巻く地域や家庭の変化(地域とのかかわりが減少、家庭の教育力低下)
  • 諸外国に比べて低い、子どもの自己肯定感や社会参画への意識
  • 与えられた正解のない社会状況(グローバル化、科学技術進歩、少子高齢化)

こういったことから、

「1人1人が、道徳的価値の自覚のもと、自ら感じ、考え、他者と対話し協働しながら、より良い方向を目指す資質・能力を備えることが重要」であるとされました。

道徳教育と道徳性

【 道徳教育 】 は、 道徳性を育成する教育

【 道徳性 】 は、 道徳的行為を可能にする人格的特性

中学校段階における道徳性の育成とは、

  • 自己探求、理想追求と自律尊重:夢や理想を考える、教師は考える大切さを強調
  • 人間関係拡大と親密化:日頃の人間関係が自己概念をつくるという意識で自己を見つめる
  • 社会の一員としての自覚の芽生え:個人と社会の関係の認識、社会的相互依存の理解
  • 自然や人知を超えたものへの謙虚な態度の涵養:生命の尊厳、自然への感動、畏敬の念

とあります。

つまり、道徳の時間とは、道徳的実践力(よりよく生きる力)を育成するためにあるということです。

かいざー
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 道徳的実践力とは、「心情」「判断力」「実践意欲」です。

学習指導要領の「道徳」における改正点

改正点は次の4つです。

  1. 道徳科に検定教科書を導入
  2. 内容についていじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものに改善
  3. 問題解決的な学習や体験的な学習などを取り入れ、指導方法を工夫
  4. 数値評価ではなく、児童生徒の道徳性に関わる成長の様子を把握

この意図は、「答えが一つではない課題に子どもたちが道徳的に向き合い、考え、議論する」道徳教育への転換により児童生徒の道徳性を育むためです。

おわりに

なぜ教科化されたかという背景から、学習指導要領の改正点について紹介しました。

今回の内容は、僕も道徳教育を意識しなおすために定期的に確認してます。

これから道徳の授業をされる先生や、教員採用試験を受ける学生、道徳についてもう一度理解を深めておこうという若手の先生は、ぜひ参考にしてください。

コロナ対応等で大変な時期ですが、一緒にがんばりましょう。応援しています。

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