前回記事でも人権について少し触れました。
未読の方は、是非ご覧ください。
教員は言葉を正しく使わなければなりません。
今回紹介するのは問題とされる言葉の表現や質問の「範囲」についてです。
気をつけなければ人権問題につながることもありますので、正しく理解しておきましょう。
問題とされる範囲
問題とされる範囲にも違いがあります。
今回は3つの分類に分けてみました。
- 「生徒に伝えるのに、問題になるか、ならないか」
- 「教職員同士で話すときに、問題になるか、ならないか」
- 「教職員以外や校外の人(保護者も含む)と話すときに、問題になるか、ならないか」
いくつかの例を紹介していきます。
具体的には…
「生徒に直接言うのはNG、でも先生同士で確認するのはOK」の例
生徒に「両親が外国人だから日本語がうまく話せない」
これはNGです。
教員同士で「両親が外国人だから日本語がうまく話せない、だから手立てを何か考えないとね」
これならOKです。
「日本語が話せない」という事実だけでなく、その先の「手立て」も必要です。
※この例では、部外者に「あの子の両親は外国人だから」と伝えると、個人情報を漏洩したことになります。
「生徒にも教員同士で確認するのもNG」の例
生徒に「男のくせに、すぐに泣くんじゃない」
これはもちろんNGですが、
教員同士で「○○くんは、男の子のくせにすぐ泣くんですよね」
男のくせに、という表現は人権侵害ですよね。
「期限を切ることで、生徒に伝えることがOK」と言う場合も
生徒に「この問題、できなくてもいいよ」
これだと「あ、この問題やらなくてもいいんだ」と思ってやらなくなってしまいます。
生徒に「この問題は、今はできなくてもいいよ」
「今は」とつけるのがポイントです。
教員は「地方公務員」
原則として、直接教員個人が「刑事裁判」に訴えられることはありません。
しかし、人権や個人情報、いじめ、自殺の問題は、学校への苦情や連絡もなく、いきなり民事裁判(精神的ダメージに対する損害賠償等)に直結する例や弁護士を立てて調停という例もあります。
人権・個人情報問題は、教員生命、自分の家族に多大な被害をもたらすことを肝に銘じておく必要があります。
おわりに
「範囲」を間違えると、話を聞いた人には「人権上の問題」と移ることがあります。
教職員の言葉の使い方にも、人権上・人道上・個人情報上の配慮を問われる時代です。
言葉の表現を改め、人権配慮へのアンテナを高めていきましょう。
夏も近づいてきました。
な日々は変わらずですが、無理をすることなく頑張りましょう。
応援しています。
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