以前、ふと自分が中学の頃の成績が気になり、実家に帰った際に当時の通知表を探しました。
大切に保管されていて、担任からの所見を見たところ
「あぁ、こんな生徒だったんだなぁ。よく書いてくれてるなぁ。」
と感じ、当時が思い出され嬉しくなりました。
通知表ってなかなか捨てられませんよね。
今回は「通知表の所見について」です。
通知表の作成について法的規定はありませんが、家庭では永年保存され繰り返し読まれます。
何度も読まれるものだからこそ、意識しなければならない大切なことがあります。
所見を書く上で大切にしたいことを紹介しようと思います。
所見は誰に向けて?
通知表の所見はそもそも誰に向けて書くのでしょうか。
H22に文科省は、通知表は「保護者に対して子どもの学習指導の状況を連絡」するものであると言っています。
つまり、
通知表の文章は保護者に向けて書きます。
ここを間違えると、文章は訂正の嵐になるので注意が必要です。
テキトーに流してチェックする管理職もいるので、学年主任にも見てもらいましょう。
どんなことを書こう?
所見をはじめて書くとき、どんなことを書けば良いか悩みどころです。
基本的には子どもの頑張りを書きます。
しかし、だらだら書いていると何を頑張ったかが分からなくなってしまいます。
次の5つを意識して書くと、バランスの良い所見になります。
- 子どもの頑張り
- 子どもの良さ(性格や行動など)
- 保護者の知らない学校の様子(具体的に)
- 担任としての子どもへの思い
- 学習や生活の今後のアドバイス
書く際は「ポジティブ」を意識しましょう。
適切な表現(例をまじえて)
僕たちは無意識に差別的な表現や不適切な表現を使ってしまうことがあります。
受け取った相手が、気持ちの良い文章を書けるよう、次のことを意識してみてください。
差別・上下関係が感じられ、人権的な配慮上、不適切とされる言葉
人との関係の中で用いられる
「やる」「あげる」「くれる」「もらう」
この表現の使い方は注意が必要です。
不適切な表現 | 適切な表現 |
クラスに○○してくれました。 | していました。 |
○○君は周囲から○○してもらえました。 | 周囲がしていました。 |
やる気を感じます。 | 前向きなエネルギーを感じます。 |
友達に○○してあげました。 | しました。 |
「花に水やりをしていました。」は人との関係ではないので大丈夫です。
「学校の上位性」や「粗野」と感じられる表現
学校と保護者は、生徒の成長を支援するパートナーです。
ですが、保護者から学校への要望も、表現や内容によっては「クレーム」になります。
逆も同じで、学校の保護者への要望も、表現や内容によって「子育てへのクレーム」と映る可能性があります。
なかでも、子育てへのクレームと感じやすい
「ほしい」「もらいたい」「すべき」「必要」
という表現は使用を避けたいです。
クレームと感じやすい | 適切な表現 |
○○してほしいです。 | ○○できると良いと思います。 |
○○してもらいたいです。 | ○○するよう学校で指導します。 ご家庭でも本人と話題にしていただけると幸いです。 |
○○すべきだと思います。 | ○○が効果的だと思います。 |
○○する意識が必要です。 | ○○を意識できると、 さらに成長していくものと思います。 |
おわりに
繰り返しになりますが、通知表は「文字として残る」ものです。
しかも、「永年保存される」ものです。
保護者に満足してもらえるよう、意識して書けるようにしたいですね。
コロナ対応等で大変な時期ですが、一緒にがんばりましょう。応援しています。
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