前回に引き続き、評価・評定についての記事になります。
【前編】をまだ読んでいない方は、先にそちらからご覧ください。
前回は主に評価の方法について紹介していきました。
今回は、「評価の準備」について紹介します。
評価の準備として
テストの位置付け
単元テストや実技テスト、定期テストで何をどう評価するか…
たとえば数学で、次のような問いがあったとします。
「1次方程式 3x+2=8 を解きなさい。」
生徒に答えだけ書かせ、教員が正解のチェックをするだけでは評価ではなく「採点」です。
ここでは、途中経過を書かせ、正しく理解しているか、どの技能を誤学習したか、を確認します。
ノートやプリント等の提出物の評価
ノートやプリントで、生徒の思考の過程や考え方の変化を捉える必要があります。
生徒に、授業中の疑問やそれが解決したかなどを記入するよう、指導しておきましょう。
生徒自身による学習記録
「主体的に学習に取り組む態度」の評価では、生徒が「どう学習を調整したか」見取る必要があります。
そのためには、次のような流れが必要です。
(1)教師が、単元や内容のまとまりのはじめの授業で「内容の概要」を説明
→(2)生徒自身が「どう学びたいか」「何を身につけたいか」を確認
→(3)各授業での自分の学びを、1・2行で振り返り
→(4)単元や内容のまとまりの最後の授業で、「どう学べたか」「何を学べたか」振り返り
そこで、生徒の毎回の学習記録や振り返りシートが必要になってきます。
→(1)~(4)のプリントをそれぞれ別のシートにするか、1枚のシートにするか、も確認する必要がります。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、『学習、スキル、実績を実証するための成果(work)を、ある目的のもと、組織化・構造化してまとめた収集物』
次のようなものがあります。
- 各生徒の学習記録(個人記録)・振り返りシート
- ノート
- プリント
- メモ
- ファイルにまとめたプリントやワークシート
- ブックマークや付箋
- 個人やグループで作成した発表資料
- レポート など
提出物・成果物の評価
一生懸命やったからA、何を書いているかわからないからD
これではいけません。
これは評価ではなく「採点」です。
たとえば、数学のレポートであれば、
「内容(難易度と理解度)」「論理性」「表現力」「分析力」の4視点を設定します。
各視点をABCDEで評価し、それを総合してレポートの評価とします。
実技の教科では、レポートや作品、実技テストがあります。
同様に、評価の視点を「学習指導要領の評価の観点に基づいて」決める必要があります。
年度当初、最初の保護者会や授業で、その説明が必要です。
単元や学習のまとまり後との評価
例)ノート提出
これまで:学期末等でノートを集めると、いくつかの章をまとめて評価
→ 1つの学期分を「1つのノートの評価」として設定します。
これから:単元や学習のまとまりごとに評価する必要
→ 単元や学習のまとまりごとに集めるのが良いですが、
学期末に集める場合でも、単元や学習のまとまりごと
に評価する必要があります。
これまで学期ごとに10点満点で評価していたものを、単元や内容のまとまりごとに5点満点で評価するなど、配点の工夫も必要になります。
協働的な学習の評価
単に「話し合いをして意見を出した」だけでは、評価ではなく「発言者の確認」です。
事前に考えを個人で書かせたり、まとめさせたりするワークシート等の配慮も重要です。
生徒間評価も参考にしましょう。
おわりに
重ねて書きますが、今回の学習指導要領の改訂は「大きな変更」と考え、指導の仕方を改善していかなければなりません。
学習指導要領に基づき、生徒に身につけさせたい力を明確にして、適切な評価をしていきましょう。
これから雨が続きます。
暑くてジメジメするのはしんどいですが、一緒に頑張りましょう。
応援しています。
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