「主体的・対話的な学び」や「協働的な学び」のため、またよりよい学校運営や良好な教職員関係の実現をめざして、ファシリテーターの重要性が指摘されています。
今回は、これからの教師に求められる「ファシリテーション」についてのお話です。
OECD(経済協力開発機構)の国際教員指導環境調査(TALIS)から
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![かいざー](https://kyouin-no-mikata.com/wp-content/uploads/2022/06/3738239b1ce603bdd45d337f23aae25d-150x150.png)
次の表は、主体的・対話的な学びを引き出す自信のある教員の割合です。
批判的に考える必要がある課題を「しばしば」または「いつも」与えている、と回答した割合 | 明らかな解法が存在しない課題を「しばしば」または「いつも」提示している、と回答した割合 | |
OECD平均 | 61.0% | 37.5% |
日本 | 12.6% | 16.1% |
1 批判的思考の要素
① 証拠に基づく論理的で偏りのない思考
② 自分の思考過程を意識的に吟味する省察的(リフレクティブ)で熟慮的思考
③ より良い思考を行うために目標や文脈に応じて実行される目標思考的な思考
2 批判的思考で大切なこと(「批判」と「非難」は違う!)
① 相手の発言に耳を傾け、証拠や論理、感情を的確に解釈すること
② 自分の考えに誤りや偏りがないかを振り返ること
日本の教員の現状
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新学習指導要領では、教師に「Teacher」と「Facilitator(ファシリテーター)」の2役が求められています。
ファシリテーション型授業は、欧米では50年以上前から実施しています。
これらの国では、教員自身も中学・高校生の時期にファシリテーション型授業を体験しています。
つまり、授業の目的に応じて、何をし、どのようにファシリテーターの役割をするかを理解しています。
しかし、日本ではファシリテーション型授業を経験した教師はほとんどいません。
そのため、教員自信の「ファシリテーター」のイメージも曖昧でぼんやりしています。
日本の教員は、「ファシリテーション」のイメージを明確にし、「スキルの理解」を深めるのがまず重要です。
イメージがあれば、「主体的・対話的で深い学び」での「ファシリテーター」の役割を完璧に果たせなくても、どう考えて進めれば良いかを意識できるようになります。
同質性から多様性へ
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ハイコンテクストの時代からローコンテクストの時代へと移り変わっています。
集団の中の個々人の同質性が高いハイコンテクスト、これは少し前までの日本です。
集団の中の個々人の多様性が高いローコンテクストは、現在の日本と言えるでしょう。
価値観・人種・信条・国籍・言語・生活環境等について多様性拡大して、これは話さなければわかりません。
これは、コミュニケーションの円滑化・容易化が必須の時代であると言えます。
ファシリテーションとファシリテーター
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「ファシリテーション」 = 集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知的創造活動を支援・促進する働き
「ファシリテーター」 = その役割を担う人(日本では「協働促進者」または「共創支援者」)プラスの相互作用を高め、マイナスの相互作用を抑え込む
※facil(ラテン語):英語のeasyの意味(容易にする、円滑にする、スムーズに運ばせる)
おわりに
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ファシリテーターは、対話的で共同的な学びを実現するためのキーパーソンです。
集団の合意形成を成し遂げたり、問題解決を図ったりしながら、創造的なプランを実現していくためのキーパーソンでもあります。
これらの視点とスキルを状況に応じて組み合わせ、個々人の組織の活性化に向けたファシリテーションのあり方を工夫していきましょう。
1学期も残り1ヶ月です。
ともに頑張りましょう。
応援しています。
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