「主体的・対話的な学び」や「協働的な学び」のため、またよりよい学校運営や良好な教職員関係の実現をめざして、ファシリテーターの重要性が指摘されています。
今回は、これからの教師に求められる「ファシリテーション」についてのお話です。
OECD(経済協力開発機構)の国際教員指導環境調査(TALIS)から
次の表は、主体的・対話的な学びを引き出す自信のある教員の割合です。
批判的に考える必要がある課題を「しばしば」または「いつも」与えている、と回答した割合 | 明らかな解法が存在しない課題を「しばしば」または「いつも」提示している、と回答した割合 | |
OECD平均 | 61.0% | 37.5% |
日本 | 12.6% | 16.1% |
日本の教員の現状
新学習指導要領では、教師に「Teacher」と「Facilitator(ファシリテーター)」の2役が求められています。
ファシリテーション型授業は、欧米では50年以上前から実施しています。
これらの国では、教員自身も中学・高校生の時期にファシリテーション型授業を体験しています。
つまり、授業の目的に応じて、何をし、どのようにファシリテーターの役割をするかを理解しています。
しかし、日本ではファシリテーション型授業を経験した教師はほとんどいません。
そのため、教員自信の「ファシリテーター」のイメージも曖昧でぼんやりしています。
日本の教員は、「ファシリテーション」のイメージを明確にし、「スキルの理解」を深めるのがまず重要です。
イメージがあれば、「主体的・対話的で深い学び」での「ファシリテーター」の役割を完璧に果たせなくても、どう考えて進めれば良いかを意識できるようになります。
同質性から多様性へ
ハイコンテクストの時代からローコンテクストの時代へと移り変わっています。
集団の中の個々人の同質性が高いハイコンテクスト、これは少し前までの日本です。
集団の中の個々人の多様性が高いローコンテクストは、現在の日本と言えるでしょう。
価値観・人種・信条・国籍・言語・生活環境等について多様性拡大して、これは話さなければわかりません。
これは、コミュニケーションの円滑化・容易化が必須の時代であると言えます。
ファシリテーションとファシリテーター
「ファシリテーション」 = 集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知的創造活動を支援・促進する働き
「ファシリテーター」 = その役割を担う人(日本では「協働促進者」または「共創支援者」)プラスの相互作用を高め、マイナスの相互作用を抑え込む
※facil(ラテン語):英語のeasyの意味(容易にする、円滑にする、スムーズに運ばせる)
おわりに
ファシリテーターは、対話的で共同的な学びを実現するためのキーパーソンです。
集団の合意形成を成し遂げたり、問題解決を図ったりしながら、創造的なプランを実現していくためのキーパーソンでもあります。
これらの視点とスキルを状況に応じて組み合わせ、個々人の組織の活性化に向けたファシリテーションのあり方を工夫していきましょう。
1学期も残り1ヶ月です。
ともに頑張りましょう。
応援しています。
コメント