10年後という視点3  これからの課題

働き方

東京都教育委員である東京大学大学院教育学研究科の北村友人准教授がこれからの課題について、次のような視点で話されていました。

2030年に向けて、教育も次のステージへと移行しなければなりません。

今回は、教育が抱える「これからの10年間の課題」について紹介します。

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「独立心や充実感の育成」

日本の教育が世界に誇れる点は次の3つです。

  • 学力の高さ
  • 協調性・集団生活を大切にすること
  • 勉強する姿勢を早くから身につけること

では、今後、健全な成長を促す上で必須となる要素はどんなものでしょうか。

それは、「子どもの生活への満足度の向上」と「社会スキルやチャレンジ精神の旺盛」です。

前回記事で紹介したように、日本の子どもたちの幸福度は先進国の中でもかなり低い方です。

また、社会スキルはSSTの記事でも紹介したように、社会に出る上でも身につけておかなければなりません。

この2つを育てるために、「独立心や充実感の育成」を重視した教育官への意向を図る必要があります。

国連児童基金(ユニセフ)

『Report Card 16(レポートカード16)ー子どもたちに影響する世界:先進国の子供の幸福度を形作るものは何か』(2020年9月3日)から

  • 日本の子どもの「身体的健康」(子どもの死亡率、肥満の子どもの割合等)は先進38カ国中1位
  • 日本の子どもの「精神的幸福度」(生活満足度が高い子どもの割合、自殺率等)は37位
  • ウェルビーイングの観点から課題が大きい
ウェルビーイングとは

幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態をいいます。

これからの学び

「学習:秘められた宝」(ユネスコ・Futures of Learning 21世紀教育国際委員会報告、1996年)では、次の4つが言われました。

1 知ることを学ぶ(Learning to know)

2 為すことを学ぶ(Learning to do)

3 共に生きることを学ぶ(Learning to live together)

4 人間として生きることを学ぶ(Learning to be)

これからは、これら4つに加えて

5 自分自身と社会を変容することを学ぶ(Learning to Transform Oneself and Society)

「静態的(static)な学び」から「動態的(dynamic)な学び」へ移行していかなければなりません。

おわりに

これからの10年間の課題は「学ぶ姿勢」と「幸福を感じる人間関係と自己の主体性」を育てることです。

とくに、「幸福を感じる人間関係と自己の主体性」を育てることは“骨が折れます”。

なぜなら、私たち教員(大人)が幸福を感じる人間関係を築けていない場合が多いからです。

「子どもたちの学び」の前に、教育に関わる大人の幸福度を上げる対策も同時に進めていかなければならないのではないでしょうか。

どんどん先進国から置いていかれる日本の教育。

教育にもっと投資できる国になってほしいものです。

1学期も残りわずかです。

一緒に頑張りましょう。

応援しています。

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