教員になって、最初は誰もが悩むであろう「道徳の授業」。
でも、安心してください。道徳の授業にはパターンがあります。
前回記事で、道徳の授業づくりのポイントについて書きました。あわせてご覧ください。
さらに加えて、話し方・話し合い方・板書の仕方など、これにもテクニックがあるとしたら……
今回は、話し合い活動がどうもうまくいってなかったり、板書の仕方で悩んだりしている先生方必見です。
どれも明日から使えるテクニックになっています。
話し方のテクニック
導入から範読まで、教師の独り舞台が多くなります。
そのため、導入の話術が授業の流れを決めます。
次の4つを意識しましょう。
- 語尾伸ばし(で~、が~)、つなぎ言葉(え~、あ~、あの~、一応)は厳禁
- やさしく、簡潔に、肯定文で表現(否定分は極力避ける。2重否定は厳禁)
- 「間」を意識(集中・沈黙、話題変更、思考、観察のため)
- 範読は、ゆっくり、はっきり、丁寧に、強弱と抑揚をつけて
範読はCDを使っても構いません。CDを使うと生徒を見ながら机間巡視ができます。
話し合いのテクニック
意見交換や話し合い活動の時間にがうまくいかなかった経験はありませんか?
話し合いをさせるにもテクニックがあります。
また、話し合いの際の教員の立ち位置も、あわせて確認しましょう。
生徒の配置
まずは、生徒の配置です。
生徒が司会の方向を向いたとき、他の班の生徒が視界に入りにくくなります。
そのため、雑談は減り、話し合いに集中しやすくなります。
机間巡視中に教員の立ち止まる位置
次に、机間巡視中に教員の立ち止まる位置です。
生徒が教員の方向を向いたときに、他の班の生徒が視界に入りにくくなります。
さらに、司会に指示しやすく、教室全体の様子を把握しやすくなります。
板書のテクニック
国語の先生を除く、ほとんどの先生は授業が横書きです。
だからと言って、思考停止で道徳も横書きにしていませんか?
板書にも型があります。まずは型を意識して、徐々にアレンジしていきましょう。
板書の原則
板書の原則は、「縦書きの教材のときは縦書き、横向き教材のときは横書き」です。
普段から横書きに慣れているせいもあって、教科書は縦書きなのに板書を横書きで書く先生が結構います。
これだと、特性のある子が対応できない場合があります。(縦読みと横読みが混在するとパニックを起こし、内容が全く入ってきません。)
通常の読み物資料(教科書など)は縦書きであるため、板書も縦書きです。
ICT映像教材など通常テロップが横書きであるため、板書は横書きになります。
数字も縦書きなら漢数字、横書きなら算用数字と書き分けましょう。
生徒の意見の取り上げ
クラス全体で共有するときは、発表意見をすべて板書します。
板書する際は、要約して書きます。
たとえば、生徒が次のように発言したとします。
Aさんの意見を聞いて、これから○○しようと考えました。
Bくんは、Aさんの意見を聞いて、これから○○しようと考えた。
【NG】これだと文章が長いため、スペースは使い、板書に時間もかかってしまいます。
Aさんの意見 ⇒ Bくん「○○しよう」
【GOOD】こうすれば、書くスペースは少なくて済み、時間もかかりません。
板書の型
板書には慣れるまでは型を意識して、次のようにしてみてください。
黒板の右側には、タイトルやテーマ(主題)や中心発問を書きます。
真ん中(広め)には、シェアして生徒が発表したものを書きます。(上下2段使えます)
左側には、まとめを書きます。(個別にするなら不要です)
Q&A
Q1.発問が2つ以上あったら板書はどうするの?
A1.発問が2つも3つもある場合、板書する場合があります。ですが、僕の場合は生徒が発表した意見を取り上げるのは中心発問のみです。(やはり、そこを一番考えさせたいから)
Q2.「まとめ」はどうやってすればいいの?
A2.「まとめ」と書いてますが、最後にやりたいのは「振り返り」です。下手にまとめようとすると、先生の意見の押し付けになってしまいます。(いじめや法に触れる行為を除く)そのため、無理にまとめようとせず、余韻を残して終わらせるようにします。
ちなみに、僕は「まとめ」をほとんどしません。
Q3.まとめをしないとはどういうこと?
A3.最後はいつも生徒に1時間を振り返って、考える時間で終わりたいと考えています。
具体的には、「この時間を振り返って、感じたことや考えたことをワークシートに書こう。その際に、これからどう行動していくか、もあわせて書こう。」と指示を出します。最後に回収するので、書き終えたら、班長にワークシート(ノート)を提出して、静かに待たせます。
ほかにも、分からないことや相談したいことがあれば、お問い合わせフォームかTwitterでDMください。
おわりに
まずは、これらのテクニックと授業パターンを身に付けて、授業ができることが目標です。
そうすると、発問を工夫したり、ワークシートを工夫したり、オリジナリティが出てきます。
子どもたちの意見を聞いて、道徳的価値を考え直す場面も出てきます。
「正解がないから何でもいい」のではなく、「正解がないからこそ、追求できる」おもしろい教科だと思っています。
いつかあなたの実践も聞かせてください。
コロナ対応等で大変な時期ですが、一緒にがんばりましょう。応援しています。
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