評価の観点が変わり、早1年が経ちました。
中学校では、定期考査(期末テスト、期末考査等)期間である学校が多いかと思います。
テストが終わると次は「評価」です。
今回は令和3年度から新しくなった「評価」について、もう一度確認をしておきましょう。
「主体的に学習に取り組む態度」が、なぜ一番最後なのか…
そういったことを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
そして、今後の指導計画や評価計画の見直しに役立てていただけると幸いです。
「学力の3要素」と「評価の観点」
学力の3要素は次の3つ
知識・技能
思考力・判断力・表現力等
学びに向かう力・人間等
これは、学校教育法にあります。
そして、新しくなった評価の観点は次の3つ
知識・技能
思考・判断・表現
主体的に学習に取り組む態度
でしたよね。
「学力の3要素」と「評価の観点」には次のような関係があります。
4観点だった以前よりも、より学校教育法に沿ったシンプルな形になったとも言えそうです。
評価の留意点
知識・技能
評価の対象:各教科で身につけるべきとされる知識やスキルを十分習得しているか
○1問1答形式で測るような単純な知識だけではなく、他教科の知識と結びつけて活用できる概念的な知識も必要
○そのためペーパーテストも出題方式に工夫が必要、単なる知識を問う問題に加え、深い理解を試す文章題を使う等応用的な部分も
○教科によっては実験の技能等の評価など、教科特性に合わせた適切な評価も重要
思考力・表現力・判断力
評価の対象:広い視点で考え、他者と考えを共有し、適切に判断しているか
○「知識・技能」に比べてより広い力を評価
○各教科で課題や問題に向き合い解決する能力や、他者と協力して問題解決の糸口を見つけ出す力など幅広い能力が評価対象、自らの想いを表現していく能力も評価
○ペーパーテストに限られない、グループディスカッションや発表・レポートなど教科の特性に合わせて評価方法を工夫、多様な試験方法が必要
主体的に学習に取り組む態度
評価の対象:いかに学習を調整して、知識を習得するために試行錯誤しているか
○現在の「関心・意欲・態度」の観点と評価軸が異なる
○ノートの取り方や挙手の回数などの生徒の性格による部分や形式的な判断に加え、さらに深い部分を評価
○見た目の意欲だけに捉われないという点で、各生徒をより細やかに見ることが必要
「主体的に学習に取り組む態度」について
従来方重視されてきた各教科の学習内容に関心を持つことだけでなく、「よりよく学ぼうとする意欲を持って学習に取り組む態度」を評価することが重要です。
誤解されている視点の例
- 正しいノートの取り方をしている
- 毎時間ノートを取っている
- 未提出物・忘れ物があると減点する
- 挙手の回数で評価する
- 定期テストに大きく依存する
- グループ討議で積極的に発言している 等
取り組むべき視点(一部)
- 思考の見えるノートの取り方をしている
- 忘れ物は生活指導であり評価しない
- ノート未提出は白紙のノート提出として評価する
- グループ討議で自分の意見を発信しつつ、他の意見を尊重し自らの学習を深めている 等
おわりに
学校教育法の「学力の3要素」に立ち返り、そこにリンクする形となった新たな評価の3観点はよりシンプルになったとも言えます。
今の学校教育で評価することが全てだとは思いません。
ですが、「関心・意欲・態度」の観点があることで、「ただ授業に出ている」だけで評価されていた過去が正しいとも思えません。
「知識・技能」を習得し「思考力・判断力・表現力」をもって、はじめて「主体的に」学びに向かうことができます。
「関心・意欲・態度」とは似て非なるものであることを覚えておきましょう。
これから雨が続きます。
暑くてジメジメするのはしんどいですが、一緒に頑張りましょう。
応援しています。
コメント