文部科学省主催「学校における働き方改革フォーラム」に参加してみた。

働き方

先週、文部科学省主催で「学校における働き方改革フォーラム」というものが開催されました。

内容は、ICTを活用した校務効率化と教員業務支援員活用のポイントが主でした。

今回の記事では、このフォーラムに参加してみて感じたことやみなさんの学校でも進めていける取組について紹介していきたいと思います。

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参加した感想 そもそもだけど……

文科省が教育委員会・教職員対象の「働き方改革」なんていうもんだから、それだけで期待していました。

参加しようと日程を確認したところ、

「令和4年2月25日(金)15:30~17:00」

……え、文科省さん普通に勤務時間ですよね?

もっと言うと、学校によっては休憩時間も含まれ、勤務時間外まで設定されている。

しかも、入試も終わって束の間、学年末考査の真っ最中で採点や成績処理でこのクソ忙しい時期のこの時間設定……それで「働き方改革」なんて言って大丈夫ですか?

さらに、参加上限は1万人とされていましたが、記憶では3000人の参加といっていたような気がします。

そりゃあこの時間設定じゃ参加は厳しいですよね。

僕のTwitterで事前にフォロワーさんに参加するかどうかアンケートを取ってみたところ、3割は「不参加」、6割は「(フォーラムがあることを)初めて知った。」、1割は「興味なし」でした。

このチラシは各学校に配布されているのでしょうか?

現場の先生たちにちゃんと届いていたのでしょうか?

まずは、文部科学省にはどんな取組よりも、この広告や時間設定では参加してもらえないだろうという視点をもってほしいと思います。

さらに、ここからはミスですが、僕が期待していたような働き方改革の話ではありませんでした。

今回のフォーラムは「ICTを活用した校務効率化」と「学校業務支援員の活用」の2点に絞った内容でした。

もちろん、実践事例の中には「お、これは来年度から活かせそうだな」と思うようなものもありました。

ただ、ZOOMを使ったウェビナー形式(カメラ・マイクは常時オフ)だったので、最初から配信のみでも良かったのではないかと思います。

アーカイブは文部科学省公式YouTubeで後日配信予定だそうです。

当日資料 http://bit.ly/doc_wrs2022

案内リンク 

学校における働き方改革フォーラムについて:文部科学省

働き方改革事例集(150の事例を削減時間の目安付きで明記しています。)

改訂版 全国の学校における働き方改革事例集(令和4年2月):文部科学省

ICTを活用した校務効率化

課題の洗い出し、課題の提案、導入までの約1か月(4週間)かかったそうです。

久留米市篠山小学校(福岡)の取組

【 Chromebookを使用 】

これまでの課題

アンケートはその日の予定をホワイトボードに貼って共有

 → 何枚もあり埋もれてしまうことや見ていない先生も。

情報が散漫になっていた

 → 何人かで共有していたが、取りこぼしは付箋で伝達している。

月行事、週行事、校務支援ソフトで行事を管理

 → 2重にも3重にも確認しないといけない。

4週間後の取組

○ 行事はスプレッドシートで常時書き換えらる。

○ 今日明日の予定は職員室のモニターや個別端末でいつでも確認できる状態に。

○ ペーパーレス化で情報はクラウドで全体共有。

○ チャットを利用して連絡を取り合い、朝の欠席連絡など行き違いがなくなる。

岐阜市立岐阜中央中学校(岐阜県)の取組

【 Microsoftタブレット端末を使用 】

ルールがない中配布されたため、事前の課題は具体的なものがなく、使ってみて「こういうことができるんじゃないか」「これを使うと校務の改善できるんじゃないか」というように進めていったようです。

4週間後の取組

○ 使い方を校内研修やICT通信で発信するようになった。

○ 職員会議では、Teamsフォルダをいつでも見れるようにしてペーパーレス化

 (直前の内容もその場で修正、変更配布しなおしがなくなった)

○ アンケートを共有したり、その分析を共有したりするのが簡単にできるようになった。

○ Foamsで作ったアンケートをTeamsに投稿することで、欠席者にも回答してもらえる。

○ 先生方へのアンケートもメンションをつけて投稿することで、出張等でいない先生もタブレットを確認したときに通知でわかるようになった。

○ いろいろな全体のお知らせを省略できるようになり、ペーパーで用意する必要がなくなった。

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教員業務支援員活用のポイント

教員業務支援員とは

教師が一層児童生徒への指導や教材研究等に注力できるよう、教師の業務支援に従事し負担軽減を図る支援スタッフのことをいいます。

平成30年度から文部科学省において配置支援を実施しました。

千葉市立加曾利中学校(千葉)の教員業務支援員

教頭の前に依頼書を用意して、業務をお願いする職員が記載し、箱に入れて教頭がまとめて支援員に依頼するという方法をとっていました。

業務支援員への依頼の内容は、

  • 課題プリント等の丸付けの手伝い
  • 教科プリントの印刷
  • 行事の書類のまとめ
  • 印刷物の拡大縮小
  • 穴あけや綴じ
  • 教材作成補助
  • 進路指導の冊子の印刷とじ込み
  • アンケートの集計

と、多岐にわたります。

コミュニケーションをとりながら、消毒業務や電話の初期対応もやっていただいているそうです。

また、千葉市教育委員会は働き方改革プランとともに「教員業務支援員活用の手引き」も用意しています。

かいざー
かいざー

各学校現場で、あれもこれもではなく、うちの学校では「これ」というようにそれぞれの実態に合った依頼をしていくといいでしょう。

説明の中で、教育業務支援員の林さんは「依頼されやすい雰囲気作りのために“笑顔を絶やさない”ことを心がけている」と言っていました。

支援員の働きにより、教員の遅くまで働くことが減り、退勤時刻も早まったことで家族との時間も増えたようです。

おわりに

今フォーラムの開催にあたり、取材のため協力してくださった久留米市篠山小学校、岐阜市立岐阜中央中学校、千葉市立加曾利中学校の教職員の皆様におきましては、密着されていた期間は本当に大変な日々だったと思います。

実践を紹介くださって、ありがたく思います。

本当に感謝でいっぱいです。

岐阜中央中学校校長の上松先生は「学びを止めないためにどう活用するかばかり考えて、働き方改革のために使うことに結びつかなかった。」とおっしゃっていました。

たしかに、ICTを活用した授業をどうするかということばかり考え、現場ではやらなきゃいけないことが増えていった感覚がありました。

やること増やすなら、減らすこともしなければ業務は増える一方です。

各学校でできる小さな業務改善からはじめて教員「働き方改革」を進めていきましょう。

とはいえ、タブレット端末は教員も全員配られていないと意味ないので、偉い人は早く予算組み直して発注かけて、速やかに全国の全教職員に校務ができるスペックのタブレット端末を配布してください。

もう新年度始まってしまいますよ?

コロナ対応等で大変な時期ですが、一緒にがんばりましょう。

かいざー
かいざー

春はもうすぐそこです。応援しています。

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